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エントリー市場向けGPU「Radeon RX 9060」に対応する「AMD Software 25.8.1」が登場
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Radeon RX 9060は,既存の「Radeon RX 9060 XT」と比べて,「Compute Unit」(以下,CU)数を4基減らしたGPUコアと,容量8GBのGDDR6メモリを組み合わせたエントリー市場向けのGPUである。
登場にともなうプレスリリースの配信がないサイレントローンチだが,製品情報の掲載に合わせてAMD Software 25.8.1がリリースされているので,Radeon RX 9060への対応が本ドライバの大きな目的であることは間違いない。
同時に複数の新作タイトルやアップデートに対応している。AMD Software 25.8.1において対応したのは,「Mecha BREAK」「明末:ウツロノハネ」「マフィア:オリジン 〜裏切りの祖国」の3タイトルだ。
いずれも性能向上はアピールしていないが,明末:ウツロノハネとマフィア:オリジン 〜裏切りの祖国は,AMD独自の超解像&フレーム生成技術「FidelityFX Super Resolution 4」(FSR 4)に対応しているそうだ。
FSR 4には先述の2タイトルを含め,7タイトルが新たに対応したという。FSR 4の対応状況については,AMDの公式Webページを参照してほしい。
また,7月末にUnreal Engine 5ベースにリニューアルされた「VALORANT」や,8月7日からスタートする「Battlefield 6」のオープンβ版にもAMD Software 25.8.1において対応したとのことである。
そのほかに,AMD Software 25.8.1では,新たなVulkan拡張に対応したが,その中で「VK_KHR_shader_bfloat16」対応が,少し目を引くところかもしれない。
拡張名のとおり,Vulkan APIにおいて,AI処理で利用されている16bit浮動小数点数である「bfloat16」のシェーダにおける利用を可能にする拡張だ。Vulkan APIは,さまざまなAIエンジンのバックエンドに利用されているので,VK_KHR_shader_bfloat16の対応で,それらの性能向上が期待できる。
ゲームグラフィックスにおけるAIの利用も進んでおり,それを後押しすることも期待できるだろう。
さらに,AIに関連しては,Microsoft純正の仮想Linux環境「Windows Subsystem for Linux」(WSL)上で,AMDのGPGPUプラットフォーム「ROCm」を利用できるGPUとして,新たに「Radeon RX 7700 XT」が追加されている。
WSL上のROCmは,対応GPUが限られていたが,少しずつ拡充が進められている。WSL上のROCmについては公式Webページも参照してほしい。
また,AMD Software 25.8.1では,Ryzen AI Max+シリーズAPU上の「llama.cpp」(※大規模言語モデルをCPUやGPUで動作させるツール)で,対応可能なパラメータ数が増えているとのこと。
AMDは7月末に,Ryzen AI Max+シリーズで,1280億パラメータの大規模言語モデルが実用速度で動作することをアピールしていた(関連リンク)。それに関連するアップデートであろう。
ゲームに直接に関係のある話題ではないが,1280億パラメータ規模のモデルはこれまで,PCレベルで動作させることが不可能だったことを考えれば,AMDにとって大きな進歩であることは確かではなかろうか。
●AMD Software 25.8.1の対応GPU
- Radeon RX 9000シリーズ
- Radeon AI PRO R9700シリーズ
- Radeon RX 7000シリーズ
- Radeon RX 6000シリーズ
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon RX 7000M/7000Sシリーズ
- Radeon RX 6000Mシリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
●AMD Software 25.8.1の対応APU
- Radeon AI 300シリーズ
- Ryzen 9000シリーズ
- Ryzen 8000シリーズ
- Ryzen 7000シリーズ
- Ryzen 6000シリーズ
- Ryzen Mobile Processors with Radeon Graphics(※RDNA世代以降)
●AMD Software 25.8.1が統合するコンポーネント(※比較対象はAMD Software 25.6.3)
- Display Driver Version:25.10.25.01-250724a-417878C
-AMD -Soft ware -Adre nalin -Edi tion (←25.10 .13.09 -250 626a -416 936E -AMD -Soft ware -Adre nalin -Edition) - UI:2025.0425.1714.2068
- AMD Windows Driver version:32.0.21025.1024(←32.0.21013.9005)
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D Driver:9.17.11.0281
- OpenGL Driver:25.04.250223_d1f9d32
- Audio Driver:10.0.1.40
- Vulkan Driver:2.0.353(←2.0.342)
- Vulkan API:1.4.315(←1.4.308)
●AMD Software 25.8.1における最適化
- 記載なし
●AMD Software 25.8.1における新要素
- 「Mecha BREAK」「明末:ウツロノハネ」「マフィア:オリジン 〜裏切りの祖国」に対応
- 「VALORANT」のUnreal Engine 5アップデートに対応
- 「Battlefield 6」のオープンβ版に対応
- 新たなVulkan拡張に対応(関連リンク)
●AMD Software 25.8.1で解決した問題
- Chromiumブラウザ(※ChromiumベースのWebブラウザという意味と思われる)で,4K解像度の動画を再生すると,画面がちらついたり描画性能が低いことのあった問題
- 「Anti-Lag」と「Instant Replay」を有効化して「モンスターハンターワイルズ」をプレイすると,断続的にゲームがクラッシュしたり,ドライバのタイムアウトが発生することのあった問題
- 「Battlefield 2042」プレイ中に,ゲームが断続的にクラッシュすることのあった問題
- Radeon RX 9000シリーズGPUで,「ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者」プレイ中に,断続的にゲームがクラッシュすることのあった問題
- 一部のAMD製GPUにおいて生じている,「Call of Duty: Warzone」のSeason 03における「Verdansk」(ヴェルダンスク)マッププレイ中のカクつき(スタッター)が,軽減されているとのこと。AMDは完全な解決に向けて,デベロッパと協力中であるとしている
- Radeon RX 6000シリーズおよび5000シリーズGPUで,VR HMD「Oculus Rift S」を利用すると,テクスチャの表示がおかしくなることのあった問題
●AMD Software 25.8.1における既知の問題
- Radeon RX 6600シリーズGPUで,「マフィア:オリジン 〜裏切りの祖国」をプレイ中に(グラフィックス表示が?)破綻することがある
- Radeon RX 7900シリーズGPUで,「The Last of Us Part II」をプレイ中に,断続的にゲームがクラッシュすることがある
- Radeon RX 9000シリーズGPUで,「Call of Duty: Black Ops 6」プレイ中に断続的にゲームがクラッシュすることがある
- Radeon RX 9000 シリーズGPUで,FSR 4を有効化して「明末:ウツロノハネ」をプレイすると,断続的にゲームがクラッシュしたり,ドライバのタイムアウトが発生することがある
- Ryzen AI 300シリーズやRyzen 7000シリーズなど一部のAMD製APU製品で,「FBC: Firebreak」をプレイ中に,断続的にゲームがクラッシュすることがある
- Radeon RX 9070シリーズGPUで,「NBA 2K26」の「MyCAREER」モードをプレイ中に,断続的にゲームがクラッシュすることがある
- 関連タイトル:
AMD Software
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