インタビュー
[インタビュー]“チャプター3”の実装で変わる「Dune: Awakening」。クリエイティブディレクターに聞くエンドゲームの拡充の狙い
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1965年に発表されたSF小説「デューン砂の惑星」と,それをベースとした映画「DUNE/デューン 砂の惑星」を原作とし,その世界観を忠実に再現したことで話題を呼んだ本作は,サービス開始から半年が経過し,多くのプレイヤーがコンテンツに“餓え”を感じ始めるタイミングとなっている。
2026年の第1四半期に実装が予定されている「チャプター3」は,この“餓え”に応えるべく,さらなるエンドゲームの拡充に舵を切ったという。新たなミッション,新たな育成要素,新たな冒険の舞台が待つというこの大型アップデートだが,その詳細はいかなるものか。
Funcom CCOであり,クリエイティブディレクターを務めるJoel Bylos(ジョエル・バイロス)氏に狙いを聞いた。
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エンドコンテンツの拡充を目指す「チャプター3」
4Gamer:
お時間をいただきありがとうございます。「Dune: Awakening」のサービス開始から半年ほどが経ちましたが,現状の手応えはいかがでしょうか。
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プレイヤーの皆さんには,ゲームを愛していただき大変感謝しています。多くの皆さんに楽しんでいただけてうれしい限りです。ただ一方で,コミュニティからはプレイ時間が100時間を超えたあたりからやることがなくなり,熱が冷めてしまうという声も上がっていて,それらを解決すべく,開発を進めているところです。
4Gamer:
それが,来たる大型アップデート「チャプター3」というわけですね。
Bylos氏:
はい。これにより現在いただいている,大別して4つの課題が解決される予定です。すなわち「エンドコンテンツの不足」「望まないPvPの強制」「技術的な問題によるQOLの低下」「休止からの復帰の難しさ」の4つですね。
4Gamer:
なるほど。詳しく教えていただけますか。
Bylos氏:
「チャプター3」には,多くの新要素が含まれています。繰り返し請けられるミッションとオーバーランドでの新たなアクティビティ,「専門化(スペシャライゼーション)」によるビルドの多様性の確保,そしてダンジョンで入手できる「オーグメント」による装備強化など。これらの組み合わせによって,エンドゲームがより楽しいものになるでしょう。
4Gamer:
一つずつ聞かせてください。まず,繰り返し可能なミッションとはどういうものでしょうか。
Bylos氏:
領主会議で,大領家から新たなミッションを受注できるようになります。これらはオーバーランドに追加される13の新たなロケーションを舞台としており,「コンバット(戦闘)」「サボタージュ(破壊工作)」「エクスプロレーション(探索)」「ハーベスト(採集)」「クラフト(制作)」の5種類のタイプがあります。このミッションの報酬として専門化に必要なポイントが獲得できるのです。
4Gamer:
各ミッションの内容は,どんなものになるのでしょうか。
Bylos氏:
ミッションによってさまざまです。例えばエクスプロレーションの一つである「スマグラーズ・ラン」では,特殊なユニットを取り付けたバイクやオーニソプターによるタイムアタックが行われます。
ハーベストの「コレクション」は,これまでなかった貴重な資源を収集するミッションですが,扱いを誤ると壊れたり,爆発したりする品が含まれています。サボタージュでは,敵対勢力の拠点に潜入し,水資源や乗り物などを破壊して帰ってくる,といった感じですね。
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4Gamer:
戦闘がないミッションもあるんですね。
Bylos氏:
ミッションは危険な場所で行われるので,クラフトのミッションであっても戦闘の可能性はあります。PvPエリアに行くミッションなら,PvPも起こりえるでしょう。ただ戦闘は回避しても構わないので,密かに潜入し,目的を達成して脱出するといったこともできます。
4Gamer:
なるほど。ミッションで得たポイントで専門化ができるとのことですが,これはどういったものですか。
Bylos氏:
専門化は,キャラクターに新たに追加されるスキルツリーです。ミッションのカテゴリーに対応した5つのツリーがあり,成長させたいツリーに合ったミッションをこなすことで,「スペシャライゼーション経験値」や「スペシャライゼーションポイント」が獲得できます。これを使って能力を伸ばしていくのです。
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4Gamer:
既存のスキルとは別のものなのですよね。どんな効果があるのでしょうか。
Bylos氏:
ええ。既存スキルもアップデートを続けますが,それとは別のものになります。
例えばクラフトのツリーを取得していくと,同じ材料でもより多くの生産物を作れたり,インベントリの容量を増やしたりできます。加えてスパイスによって新たな「トレイト(特性)」を解放できるので,かなりいろいろなことができるようになります。
4Gamer:
複数のツリーにまたがって取得していくこともできるのでしょうか。あるいは全部を取ってしまうとか。
Bylos氏:
もちろん可能です。ただ,それぞれのツリーに100のレベルがあるので,すべてを取得するのはかなり時間がかかると思いますよ。かなりのやり込みでも……恐らく1年以上はかかるんじゃないでしょうか。なのでグループでプレイしている人であれば,自分はハーベストで,仲間はクラフトといったように,役割分担するのがいいかもしれません。
4Gamer:
では,ダンジョンというのはどういったものなのでしょうか。
Bylos氏:
ダンジョンは,グループ単位で挑戦できるPvEコンテンツになります。難度を選択してインスタンスに入り,最奥で待つボスの撃破を目指します。見事クリアすると,かかった時間や挑戦難度がリーダーボードに載るので,これを競っていただくことになります。
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4Gamer:
基本的にマルチプレイが前提と考えていいのでしょうか。ソロも可能ですか?
Bylos氏:
もちろんソロでもプレイ可能です。「チャプター3」は「プレイヤー全員が成長を感じられるものを」というコンセプトで開発しているので,ソロで挑戦できないものはありません。ただ,ダンジョンの難度を上げていくと,どこかで火力不足にはなると思います。
4Gamer:
ダンジョンの難度というのは,何段階くらいあるのでしょうか。
Bylos氏:
難度には9つのレベルがありますが,最初に選択できるのはレベル5までとなっています。それ以上に挑戦するには,まずレベル5をクリアし,レベル6をアンロックしなくてはなりません。以降,1レベルずつ段階的にアンロックしていくわけですね。ちなみに同じ難度ならソロでもグループでも内容は一緒ですので,ソロだとその分キツくなります。
4Gamer:
インスタンスということは,PvPは発生しないわけですよね。
Bylos氏:
はい。ダンジョンでは発生しません。
4Gamer:
クリアの報酬はあるのでしょうか。
Bylos氏:
「オーグメント」という武器や防具のスロットに装着する強化アイテムが,ボスを倒したときに入手できることがあります。これには攻撃力アップなどの効果がランダムに付与されていて,レベルが高いほどよいものが出やすくなります。なので,ベストなオーグメントを求めて周回する人も出てくるでしょう。
4Gamer:
いわゆるハック&スラッシュ的な要素ですね。武器や防具のスロットというのは,どうやって用意するのでしょうか。
Bylos氏:
コンバットの専門化スキルツリーを育てると,武器や防具に「オーグメンテーション(拡張)」スロットを付けられるようになります。オーグメントは取り外すこともできますし,分解して新たなオーグメントを作る素材にしたり,換金したりすることもできますよ。
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プレイヤーの声が反映されるライブサービスを目指して
4Gamer:
新要素についてうかがってきましたが,このほかに注目してほしいものはありますか。
Bylos氏:
これは「チャプター3」より前の実装になるかもしれませんが,QOL向上の一環として,拠点を「ブループリント(設計図)」として保存する,リビルドシステムの実装を予定しています。またキャラクターをほかサーバーに移管する機能も計画中です。
4Gamer:
リビルドシステムというのは,いわゆる“家が腐る”のを防止するものですね。
Bylos氏:
はい。現在の「Dune: Awakening」では,長期間ゲームから離れるとプレイヤーの拠点や中のアイテムが失われてしまいます。これは新しいプレイヤーが拠点を建てられなくなるのを防ぐためにあるシステムですが,これをログインを強制されていると感じるプレイヤーがいるのも確かです。ブループリントを使えば,チェストの中身まで含めて拠点を保存でき,さらにいつでも再建できるようになります。
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4Gamer:
ストーリー面はいかがでしょうか。「チャプター3」に合わせて新章が実装されるのですよね。
Bylos氏:
「チャプター2」の最後で殺人犯を取り逃した主人公ですが,「チャプター3」ではその後が描かれます。ハルコ村のグラディエーター(剣闘士)たちの中に身を隠した犯人を追うべく,主人公もグラディエーターとなってランクを上げていくことになるでしょう。新しい場所への冒険がありますし,原作や映画でも人気のあるフェイド=ラウサが,これまで以上にクローズアップされます。
また領主会議システムを通して,プレイヤーの選択が政治に及ぼす影響を感じてもらえたらと思っています。
4Gamer:
告知されているDLC「Raiders of Broken Lands」と「The Water Wars」についてはいかがですか。
Bylos氏:
「Raiders of Broken Lands」は衣装や武器,建物や乗り物に使えるコスメティックが中心となるDLCです。これまでクローズアップされてきたハルコンネンやアトレイデスとは違った勢力のキャラクターをモチーフにしていまして,リリースは「チャプター3」のどこかになる見込みです。一方,「The Water Wars」は「チャプター4」で予定されているDLCで,皆さんにお披露目できるのはまだ少し先になります。楽しみにお待ちください。
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4Gamer:
チャプター3の実装は2026年の第1四半期とのことですが,これに変わりはありませんか。
Bylos氏:
現時点では,“2026年のかなり早い時期”とだけ言わせてください。
4Gamer:
楽しみにしています。ところで「Dune: Awakening」は多言語で展開されていますが,主にどの国からのアクセスが多いのでしょうか。
Bylos氏:
私たちに分かるのはどの言語で遊んでいるかまでですが,トップは英語,次いで中国語の簡体字ですね。あとはドイツ語やロシア語も多いと思います。
4Gamer:
言語ごとに,プレイヤーの反応に違いがあるでしょうか。
Bylos氏:
フィードバックに違いはなく,内容はほぼ共通しています。ただ中国とロシアのプレイヤーからは,批判的な声が目立つように思います。偏りの理由は想像するしかないですが,IPとしての「デューン」自体が西洋のものなので,その浸透度の違いによるのかもしれません。ゲームの内容もアメリカ風ですしね。
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4Gamer:
なるほど。日本のプレイヤーについてはいかがですか。ゲーム内で仲間を見つけるのが難しいといった声もあるようですが。
Bylos氏:
プレイヤーの少ないサーバーを統合したり,派閥専用チャットを追加したりといった対策は考えています。ほかにはギルドを検索する機能なども考えられますが,これはまだ検討の段階です。
4Gamer:
分かりました。最後に日本のファンに向けたメッセージをいただけますか。
Bylos氏:
「Dune: Awakening」はもちろんのこと,過去作も含めたFuncomのタイトルをいつも応援してくれて,とても感謝しています。ライブサービス型のタイトルでは,プレイヤーの皆さんの声に耳を傾けることが,何よりも大切です。今後も改善を続けていきますので,ぜひ応援してください。アリガトウゴザイマシタ。
4Gamer:
ありがとうございました。
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- ライター:箭本進一
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