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[インタビュー]ソニック×初音ミクの音楽コラボ「Project ONSOKU」とは何なのか。かいりきベア氏と「ソニックレーシング クロスワールド」開発陣に聞く,その狙い
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印刷2025/08/28 13:30

インタビュー

[インタビュー]ソニック×初音ミクの音楽コラボ「Project ONSOKU」とは何なのか。かいりきベア氏と「ソニックレーシング クロスワールド」開発陣に聞く,その狙い

音楽面での挑戦を詰め込んだ「ソニックレーシング クロスワールド」


4Gamer:
 ここからは「ソニックレーシング クロスワールド」自体についてお聞きしたいのですが,PJ ONSOKUの楽曲は,どういったタイミングで流れるのでしょうか。操作キャラで変わるとか?

大国氏:
 好きなコースで好きな曲を流せる「ジュークボックス」という機能がありまして,PJ ONSOKUの5曲は,この機能で選択可能な曲として登場します。

小早川氏:
 「ソニックレーシング クロスワールド」はコースを3周して勝敗を決めるレースゲームですが,実は1周目の最後に2つのゲートが現れるんですよね。ゲートの先は別の世界――例えば「Minecraft」「パックマン」の世界といった,何かしらのコンセプトを持った異世界になっていまして,そして3周目にまた元の世界に戻ってくる設計です。また3周目は,1周目とはアイテムやオブジェクトの配置なんかが派手に変化していて,最後はすごく盛り上がった状態でゴールを迎えられるんです。

すでに発表済の「Minecraft」「スポンジ・ボブ」「パックマン」といった有料DLCでは,キャラクターのほかに,その世界をイメージした特別なコースも登場する。一方で,無料DLCである「龍が如く」や「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」,そして初音ミクなどはキャラクターとオリジナルマシンのみが参戦する形となる
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4Gamer:
 なるほど。一つのコースでも,周回ごとに様子が変わるわけですね。

小早川氏:
 ええ。本作ではここに力を入れていまして,この仕組みに合わせてサウンド面でも大きな挑戦をしています。大国をはじめとしたサウンドチームには,2周目のゲートに飛び込む瞬間を盛り上げるべく,音楽的にもエモくしてくれとお願いしました。

大国氏:
 開発がスタートした直後から,だいぶ強めに依頼されました(笑)。

4Gamer:
 “エモく”というと,具体的にはどういう意味なのでしょうか。

小早川氏:
 1度遊んでいただくと分かりやすいんですが,ゲートが出現する直前からプレイヤーを煽るような演出が入るんですよね。心音が早まっていくような,ドンドンドンドンドン……という音が鳴り始めて,ゲートをくぐると次の世界がバッと切り替わる。その瞬間,BGMもその世界のものに切り替わり,異世界でのレースが始まるというような。

4Gamer:
 「Minecraft」の世界なら,「Minecraft」の楽曲が流れるわけですね。しかし楽曲が切り替わる,そのつなぎの部分はどうなるのでしょうか。

小早川氏:
 そこは一番難しい部分でした。さまざまな試行錯誤の結果,ゲート前の演出を音楽的にも工夫して,2曲目の頭にうまくつながるようにしたんですね。フェードアウトしながら次の曲の予兆が入ってきて,瞬間的にガンと切り替わるという,遊んでいて冒険感を感じられる演出になったと思います。

かいりきベア氏:
 それはすごい。DJみたいですね。

大国氏:
 おっしゃるとおり,最初のコンセプトはDJミックスでした。PJ ONSOKUの楽曲はまた別なのですが,「ソニックレーシング クロスワールド」は1周1分を基本にしていて,BGMもこの1分ですべての展開が終わるように作られています。なので3周目で元の世界に戻ってくるときも,煽る演出こそありませんが自然に聞こえるようになっています。

小早川氏:
 楽曲自体も,3周目にかかるものは感情を揺さぶる盛り上がる構成を意識しています。1周目のアレンジになっていて,レースの最後を飾るに相応しい,テンションの高い曲調になっています。

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かいりきベア氏:
 それも今までにない試みですよね。普通は1周目と同じ曲に戻りません?

小早川氏:
 そこはラスト1周なので(笑)。ゲームで使用する専用BGMについては,尺構成やアレンジを変えた曲を2種類用意してあって,周回によってサウンドが変化する,ということをやっています。アレンジ曲を含めると相当の数になるので,楽曲の総数を問われても,もうよく分からないくらいですね。

4Gamer:
 PJ ONSOKUの楽曲も,ゲートの前後で切り替わるときには,きれいにつながるようになっている?

大国氏:
 専用BGMほどではないですが,きれいにつながるように処理しています。PJ ONSOKUのようなコラボ作品の楽曲にまで,1周1分の縛りを入れてしまうと表現が狭まってしまいますので。そちらは概ね1曲3分ほどの尺で考えてもらっていますね。

小早川氏:
 ただ,それらもアレンジまではいかずとも,3周目専用の楽曲スタート位置にしたりしているので,ゲームではYouTubeなどで聞くのとは,また違った発見があるかもしれません。

かいりきベア氏:
 でも原曲とアレンジ,両方聴けるのはいいですよね。自分もゲーム好きなんで,コラボなんかで原曲が流れると,テンションがすごく上がります。でも音楽好きとしては,アレンジも聴きたいんですよ。そのまま使ってるだけじゃないところに感動するので。

小早川氏:
 PJ ONSOKU以外のコラボレーションも,音楽的にはかなり工夫を入れているので,期待していてください。コラボキャラクターでレースに勝ったときは,その作品のBGMがかかったり,作品によってはアレンジバージョンが流れたりもする。ステージやキャラクターによってはBGMのパターンも変わってたりもするので,次にどの曲がかかるか予想できない楽しさもあると思います。

4Gamer:
 今後のコラボレーションがますます楽しみになりますね。あと少し気になったのですが,2周目にどちらのゲートを選ぶかは,個々のプレイヤーに委ねられているのでしょうか。

小早川氏:
 いえ,どちらの世界を選ぶかは,その時点で1位のプレイヤー次第です。トップのプレイヤーが選んだ世界に,全員が巻き込まれます。

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4Gamer:
 それだと最初に優位に立った者がより優位になる,いわゆるスノーボール状態になりませんか。

小早川氏:
 確かにその側面もありますが,実はこの手のカートレースゲームって,1位はさほど有利ではないんですよ。アイテムが存在するので,むしろ道中は1位にならないよう立ち回る攻略が有効な場合もあります。

4Gamer:
 あー……なるほど(笑)。

小早川氏:
 ただ個人的には,そういった攻略はレースゲームの面白さを削ぐのではないかとも思っているので,本作では1位になるメリットをゲートの選択権という形で,明確に用意したわけです。だっておかしいじゃないですか,1位にならないようチキンレースをするのは(笑)。

4Gamer:
 よく分かるお話です(笑)。

小早川氏:
 あと「ガジェット」というシステムがありまして,これを使って所持アイテムの数を増やしたり,走行そのものを変化させるといったゲームルール自体のカスタマイズが可能になっています。このカスタマイズ次第で,自分だけが有利なコースも出てくるので,1位でゲートを潜ることができれば自分に有利なフィールドに引き込める。そうした戦略性を生み出す要素も,今回はいくつか用意しています。

大国氏:
 コースの設計においても,前張りが強いコースや後ろが強いコースというのは,意識してデザインしています。そこにアイテムなどのランダム要素が加わるので,勝敗はなかなか読みにくいものになるでしょうね。

小早川氏:
 オンライン対戦でずっと遊び続けられるゲームを作ろうというのも,「ソニックレーシング クロスワールド」のテーマの一つでした。コースを周回するレースゲームは,展開がある程度決まってしまう傾向になるので,ランダム要素の強い2周目は,それを打ち崩すために生まれた側面もあるんですよ。



ボーカロイド文化と音ゲー文化,その交差点


4Gamer:
 「ソニックレーシング クロスワールド」からは少し離れますが,せっかくかいりきベアさんにお話を聞ける機会なので,もう少し掘り下げた質問をさせてください。ゲームがお好きとのことですが,ゲーム遍歴を伺ってもいいでしょうか。

かいりきベア氏:
 ソニックシリーズということなら,メガドライブの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」と,ドリームキャストで出た「ソニックアドベンチャー」はけっこうプレイしました。子供の頃でしたが,とにかくBGMが頭から離れなくて,音楽的にもなんらかの影響を受けたんじゃないかと思っています。難しくてクリアはできなかったですけどね。

4Gamer:
 ソニックシリーズ以外ではどうですか。

かいりきベア氏:
 格闘ゲームも好きで,セガなら「バーチャファイター」「ファイティングバイパーズ」「ファイターズメガミックス」あたりは楽しくプレイしていました。レースゲームだと「セガラリーチャンピオンシップ」はけっこう遊びましたね。

小早川氏:
 ちなみに「ソニックレーシング クロスワールド」の開発チームは,セガラリーのチームが母体なんですよ。

かいりきベア氏:
 ああ,そうなんですか!

4Gamer:
 かつてのAM3研(第3AM研究開発部)ですよね。

小早川氏:
 そうですね。当時のAM3研のレースゲームチームが,紆余曲折を経て「頭文字D ARCADE STAGE」のチームになり,今の「ソニックレーシング クロスワールド」に至っています。

4Gamer:
 ちなみに,音ゲーはいかがですか?

かいりきベア氏:
 もちろんプレイします。入口は「beatmania IIDX」で,その後は「maimai」「CHUNITHM」もひととおり触っています。

4Gamer:
 ……やっぱり音楽に関わる人って,音ゲーも巧いんでしょうか。

かいりきベア氏:
 まったくそんなことはないと思います(笑)。結局はかけた時間によるのかなと。曲作りも,やっぱり長く向き合っている人のほうが,いい曲を作れると思いますし。

大国氏:
 ただ,音ゲーから作曲に目覚めた人が増えてきた印象はあります。まさに自分がそうなのですが,そこから逆説的に音ゲーが巧い人は,いるかもしれない。社内でコンペを開いても,音ゲープレイヤーだった人が応募してくることが多いです。

小早川氏:
 ボカロPさんに曲を依頼するときに,あの音ゲー好きでしたって言われることも増えました。とくに「CHUNITHM」は,世代的なこともあってよく名前が挙がります。

4Gamer:
 音ゲーとそれ以外では,曲作りもかなり変わるものなのでしょうか。

かいりきベア氏:
 自分の場合,「CHUNITHM」に提供した「レーイレーイ」がかなり音ゲーを意識した曲なんですが,短い時間に色んなパートを入れることを意識しました。普段は覚えてもらいやすいよう,構成はシンプルにすることが多いんですが,1曲の中で変化を持たせるために,メロやパターンを詰め込んだ形です。


大国氏:
 音ゲーの曲って,とにかく展開が速いんですよ。普通は8小節/8小節となるところを,音ゲーでは4小節×4といった具合に。すぐに別のパートへ,AメロからBメロへと移行していく。あとは全体の尺も決まっていて,今は2分から2分20秒ぐらい。マックスでも2分40秒ほどで発注しています。

小早川氏:
 2000年ぐらいまでは1分30秒くらいの尺が主流だったんですが,それが2010年ぐらいに1分45秒になり,「CHUNITHM」の稼働でそれがさらに伸びてしまったんです。2010年代は「CHUNITHM」が1番普及した音ゲーだったので,僕らが「2分は聞きたいね」って言いながら作っていたら,ほかのゲームも2分以上になってしまった。そういった時代の変遷も踏まえながら,その時々によって発注の仕方は変わっていくんです。

かいりきベア氏:
 逆にボカロのミュージックシーンは,曲がどんどん短くなってますね。

大国氏:
 ですよね。ボカロ曲は昔5分だったのが3分に,音ゲーは1分半だったのが2分半になり。けっこう近づいてきている印象があります。

かいりきベア氏:
 音ゲーとボカロ曲の尺が合致してきているのは,すごく面白い現象ですね。

4Gamer:
 ボカロ曲が短くなっていくのには,何か理由があるのでしょうか。

かいりきベア氏:
 やっぱりTikTokの影響が大きいのかなと。動画で1番聴きたいところだけを繰り返し聴くみたいな。前奏やギターソロが長いとスワイプされちゃうので,いきなりAメロから始まるっていう。

大国氏:
 音楽全体がそうなりつつありますね。全体的に楽曲が前倒しになり,相対的に後ろも短くなっていくというような。

小早川氏:
 時代に合わせて,どんどん圧縮される傾向にあるのは強く感じるところです。PJ ONSOKUが掲げる“速さ”というテーマも,そういう意味ではすごく時代に合っているのかもしれません。密度を上げていくことで,若い子の耳に耐える音楽が生まれるんじゃないかと。

4Gamer:
 かいりきベアさんの楽曲は,曲調はアップテンポでポップな印象ですが,一方で歌詞はよくよく読むとネガティブな内容だったりしますよね。これは意図的なものですか。

かいりきベア氏:
 意図的ですね。これまで生きてきた中で感じた世界の見え方が,歌詞に反映されているんだと思います。

4Gamer:
 それは時代が求めるものを出しているという感覚ですか? それとも自分の中から湧き上がってくるものなんでしょうか。

かいりきベア氏:
 前者の側面もあると思います。この世の中って,一見ポップで平和に見えても,その裏側には言葉にできない不安や葛藤を抱えながら生きている人が少なくないと感じるんです。そうした時代の空気感を歌詞に落とし込みたいと考えているので。ただ最近は,意識しなくとも自然になっている気がしますね。

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4Gamer:
 なるほど。最初はいわゆる電波系……といっていいか分からないですが,意味はあまりない歌詞かと思っていましたが,そうではないんですね。

かいりきベア氏:
 曲によってはノリ重視なこともありますが,背景のストーリーをしっかり考えて作ることも多いです。

4Gamer:
 楽曲を作るときは,曲が先なんですか。それとも歌詞というか,テーマ的なところから?

かいりきベア氏:
 基本は曲が先です。仮のタイトルだけ決めておいて,曲に合わせて歌詞を付けていくんです。なので通しで歌詞を書くのは,たいてい最後ですね。

4Gamer:
 では,最初はフレーズからでしょうか。

かいりきベア氏:
 毎日感じたことをメモに書き溜めておいて,曲を作るタイミングになったら,それらを膨らませて音楽や歌詞に落とし込んでいくんです。まずサビで繰り返せそうなフレーズを探して,それに合いそうなメロディーをギターで弾いてみる。そこに言葉を当てはめていく感じですね。何回か試行錯誤して固まってきたら,ソフトに打ち込んでAメロやBメロを作っていくという。

4Gamer:
 あまり音楽に詳しいほうではないのですが,最近はなんというか,全体的にネガティブな曲が多いように感じています。制作者側として,何か思うことはありますか。

かいりきベア氏:
 変化はあると思いますね。ボカロに限らず,一般アーティストさんの歌詞も,社会に対して普段言えないことをガツンと言ったり,もう無理ですみたいなことを吐き出したりする歌詞が増えてきた。昔はもっと……何だろう,今みたいな鬱屈とした感じじゃなく,一緒に盛り上がろうみたいな曲がヒットしてたような。

小早川氏:
 ボカロで言えば,2008年ぐらいまでは前向きな曲が多かったように思いますね。ただ2010年ぐらいからトレンドが変わって,SNSを使って共感性の高い刺激的なリリックを発信する個人アーティストが増えてきた印象です。その後,YouTubeが活動の中心になってきて,ボカロPさんの出自も変わっていったんじゃないかと思ってます。

大国氏:
 TikTokとかを見ていても,今はもうボカロという区分もなくなって,ポップスとして扱われるようになっています。それこそ2007年頃は,人の声じゃないって批判する人も一定数いましたけど。

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小早川氏:
 ミクさんも,当初はキャラクターの可愛らしさを軸に語られていたと思いますが,今はだいぶん変わりましたよね。

4Gamer:
 そうした文化的な広がりという側面では,セガが果たしてきた役割も大きいんじゃないでしょうか。

小早川氏:
 そうですね。「Project DIVA」の頃は,まだボーカロイドという技術に興味を持って初音ミクに辿り着いた人が多かったように思います。それが今は「プロジェクトセカイ」という形になり,時代も人も変わりながらも続いている。ミクさんとは,それだけ長い付き合いをさせていただいています。

4Gamer:
その最先端が,PJ ONSOKUということになるでしょうか。

小早川氏:
 そうなってくれたらいいですね。これまでのミクさん関連の企画と一つ違うところは,PJ ONSOKUはグローバル展開を強く意識しているということです。世界中で知られているソニックというキャラクターと結びつくことで,ミクさんがさらに飛躍するきっかけになってくれたらと思っています。

4Gamer:
 期待しています。これから公開になるPJ ONSOKUの残り4曲について,簡単に紹介していただけますか。

小早川氏:
 かいりきベアさんの次に公開されるcosMo@暴走Pさん「ウィーアーピコピコハンマーズ!!!!」は,ソニック側の女性キャラクターであるエミーをテーマにした楽曲になります。なんでもピコピコハンマーで解決しちゃうエミーちゃんにフォーカスした,分かりやすく楽しい曲になっています。

4Gamer:
 なるほど。それぞれソニックのキャラクターにフォーカスした楽曲になっているんですね。

小早川氏:
 ええ。雄之助さん「ジェットブラック」はシャドウをテーマにした,シリアスでかっこいい曲です。これは「The Game Awards 2024」で公開したトレイラーをモチーフにしていまして,シャドウがレースの前夜,ミクさんと交流する……みたいなシチュエーションというか妄想を,雄之助さんに形にしてもらいました。


 3本目の「トレジャーガーデン」は,音ゲーマーなら誰もが知る,Ponchi♪さんの楽曲です。「ソニックアドベンチャー」から登場した,チャオというキャラクターがモチーフの,カワいくて速い曲になっています。

大国氏:
 フレーズもBPMも速く,すべての手数が多いという,“THE 音ゲー”みたいな曲ですね。

小早川氏:
 最後はかめりあさん「電光刹歌」ですね。彼も音ゲーで有名なアーティストですが,これはもう,ストレートに「ソニックレーシング クロスワールド」のテーマ曲といえる曲になっています。本作にはクルマだけでなく,ホバーボードのような乗り物が登場するんですが,これに乗ったミクさんとソニック,それからジェットというキャラクターが競い合うイメージから曲を膨らませてもらいました。

4Gamer:
 ありがとうございます。どれも公開が楽しみですね。

小早川氏:
 ご期待ください。“速さ”というテーマは同じでも,解釈はそれぞれに異なる,幅広い楽曲を揃えられたと思っています。僕と大国が「CHUNITHM」の10年で培ってきた,キャラクターを中心とした音楽作りを生かした5曲ですので,レースゲームではありますが,きっと音ゲーファンにも刺さると思いますよ。

大国氏:
 「CHUNITHM」とは違って,今回はすでに存在するキャラクターのかけ合わせでしたが,社内のあちこちからいいアイデアがポンポン出てくるので,作っていてとても楽しかったです。

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4Gamer:
 どれも興味深いお話で時間が長くなりましたが,最後にお三方から何かメッセージをいただけますか。

大国氏:
 今回の「ソニックレーシング クロスワールド」では,これまでのどんなゲームにもなかった仕掛けを,音楽の面でも数多く用意しています。サウンドチームとしては,ぜひその辺りにも注目しつつ,たくさん遊んでもらえたら嬉しいですね。もちろんゲームとしてもめちゃくちゃ面白いので,ぜひ手に取ってみてください。

小早川氏:
 PJ ONSOKUは,ミクさんが好きな人がソニックも好きになる,そしてソニックを好きな人がミクも好きになる,そんなことを実現したくて始めたプロジェクトです。もちろん「ソニックレーシング クロスワールド」も遊んでもらえたら嬉しいですが,そこまでいかずとも,まずは音楽で広がっていく世界観とキャラクターを楽しんでみてください。そしてPJ ONSOKUというコンテンツが好きになってもらえたらありがたいですね。

かいりきベア氏:
 今日はとても勉強になる話ばかりで,すごく楽しかったです。これを読んでくれた皆さんも,いつまでも音楽を聴いて,楽しい気持ちでゲームをプレイしてもらえたら嬉しいです。……あと10月3日・4日に東京・豊洲PITでワンマンライブがありますので,もしよければそちらもチェックしてもらえたらありがたいです。チケット情報はYouTubeやXにリンクがありますので,ぜひよろしくお願いします。

4Gamer:
 ソニックファンの人は,この機会にかいりきベアさんのほかの楽曲も聴いてみてほしいですね。

かいりきベア氏:
 いや,「最愛人生ランナー」だけ聴いてもらえたら,ほかは無理しなくてもいいです(笑)。ほんとうに気が向いたらで。青いサムネはぜひクリックしてもらえたらと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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「Project ONSOKU」特設サイト

「ソニックレーシング クロスワールド」公式サイト

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