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モンカルファンタ 〜勇者と水晶の少女〜公式サイトへ
  • エクスペリエンス
  • 発売日:2025/09/18
  • 価格:パッケージ版:5800円(税抜)
    ダウンロード版:4800円(税抜)
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[プレイレポ]この感覚を,僕らは知っている。「モンカルファンタ 〜勇者と水晶の少女〜」に込められた,古き良きRPGのエッセンス
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印刷2025/09/09 11:00

プレイレポート

[プレイレポ]この感覚を,僕らは知っている。「モンカルファンタ 〜勇者と水晶の少女〜」に込められた,古き良きRPGのエッセンス

 エクスペリエンスは2025年9月18日,“懐かしくも新しいコマンドRPG”を謳うNintendo Switch用ソフト「モンカルファンタ 〜勇者と水晶の少女〜」をリリースする。

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 本作は,「世界樹の迷宮」シリーズで知られる日向悠二氏がキャラクターデザインを務め,懐かしいRPGをリスペクトした作品として話題を集めていた完全新作タイトルだ。今回は発売前にゲーム本編の中盤あたりまで遊んでみたので,プレイレポートをお届けする。

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 エクスペリエンスは本日(2025年9月4日),Switch用ソフト「モンカルファンタ〜勇者と水晶の少女〜」体験版を9月11日に公開すると発表した。今回の体験版では,ゲーム序盤から船を入手するまでの約2,3時間の冒険を楽しめるとのこと。また,9月5日に配信予定の番組「EXPちゃんねる」では,本作が特集される。

[2025/09/04 00:00]

「モンカルファンタ 〜勇者と水晶の少女〜」公式サイト



懐かしいのではなく“知っている”

コッテコテなのに洗練されている


 本題に入る前に,ひとつ感想を述べておきたい。前段のとおり,モンカルファンタはまごうことなき完全新作タイトルだが,遊んでみるとちょっと特殊な感覚を味わった。数時間ほど遊ぶと,なんだか自分はこのゲームを“知っている”ような気がしてきたのだ。

 冒険の舞台は,モンスターを操る「マ王」が支配領域を広げつつあるファンタジー世界。プレイヤーは魔王討伐を目指す1人の若者として,修行の途中で不思議な少女と出会うことになる。勇者としての自覚を得た若者は,酒場で仲間を揃えて冒険へと踏み出していく。

なぜか洞窟のツボの中に水晶玉があり,少女「ヒメリ」が封じ込められていた。以降,ヒメリは世界のガイド役として冒険をサポートしてくれる
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 旅に出た主人公たちは,ワールドマップ上に配置された都市や遺跡を巡り,パーティメンバーを成長させ,最終的にはマ王の待つ場所へと進んでいく――。そう,このゲームは“ドラクエ的なJRPG”の基本構造をそのまま取り入れているのだ。

 ちょっとした効果音,アイテムとスキルの命名規則,ワールドマップやダンジョン内における「今は行けないけど視界に入る場所」など,さまざまな場面で古き良きRPGへのリスペクトが伝わる。

パーティは主人公を含む最大4人。主人公の職業は「勇者」(固定)だが,そのほかのメンバーは自由に決められる
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キャラクターの外見は職業ごとに2種類用意されている。その後に選択する「性格」によって初期ステータスが多少変化するが,大きな差ではない。自分の好みで決めよう
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 そのほか,ゲーム体験の部分にもクラシックなRPGのステロタイプが詰まっている。歩数を節約してボスに到達するまでに使うリソースを温存する必要があったり,全滅後に復活用の資金捻出に苦労させられたりと,遊んでいて「あったあった,こういうの」という言葉が何度漏れたか分からない。

ワールドマップの探索は,まさにクラシックなRPGを思わせる要素だ。近年ではワールドマップを歩く体験が減っているので,ある意味では新鮮かもしれない
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 そして驚くべきは,そうした要素がきっちりと現代的な基準でデザインされていること。体験自体は過去に出会ったそれとほぼ変わらないのに,ゲームプレイの手触りは驚くほど快適になるように調整されている。

 たとえば,ワールドマップ探索では新たな場所を見つけるために歩く必要はあるが,一度でも接触した友好的な拠点には自由なタイミングでファストトラベルができる。さらに,味方キャラクターは死亡さえしていなければ,都市に入った瞬間に全回復する。

都市にはアイテムを売ってくれる「商人」,キャラクターを復活させる「女神の像」,および会話対象となるNPCが存在する
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 戦闘には本作独自のシステムもあり,ハック&スラッシュ的なアイテム掘り要素を深めることで,レベル上げや収集の単調さをカバーしている。そのうえで,フレーバーはコテコテなまでにクラシックなので,楽しさを飲み込むまでに時間がかかってしまった。

 うまい表現が見つからないが,浮かんだものをそのまま使うなら「『ドラえもん』の作中,のび太が読んでる“マンガ”というタイトルのマンガを,その姿のまま極限まで面白くしたような作品」といった感じだろうか。

 ネガティブな表現に見えるかもしれないが,総合的には非常に楽しい作品だと思う。自分でその内容を確認したい人は,とにかく体験版からでも遊んでみてほしい。

魔法などの名称が極めて分かりやすい語呂合わせなところも,“作中作のRPG”っぽさを出している気がする
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“モンスター狩り”を中核に据えた

本作ならではの成長と探索の体験


 ここからは,もう少し具体的な部分に触れていこう。本作ではさまざまなシステムを駆使して,かつてのRPG体験をストレスなく再現している。それを支えているのが,独自の戦闘システムとアイテムドロップの仕組みである。

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 戦闘システムは非常にシンプルなターン制コマンド式で,モンスター撃破時には必ず1つの装備品と,多少のゴールド(お金)がドロップする。
 そして,すべての装備品には3段階のレアリティが設定されており,同一の装備であっても効果がかなり大きく異なる。各アイテムには付帯効果(こちらは装備の種類ごとに固定)があるので,できれば強力な付帯効果を持つ高レア装備を獲得したい。

 となれば,プレイヤーがやることはモンスター狩りだ。これはレベル上げにもつながり,その過程で大量の装備品を入手できる。大多数の装備品は不要になるので,それらを売却することでゴールドも賄えるわけだ。

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 この体験をより楽しいものにしているのが,「モンカルスキル」である。モンカルスキルは攻撃系コマンドを実行すると増加するゲージと引き換えに発動できる特殊能力で,うまく使えばアイテムドロップや戦闘の効率を大幅に上げられる。

 ゲージはわずか4回の攻撃で溜まるので,1回の戦闘中に計画を立てやすいのも面白いところだ。回復や補助コマンドではゲージが増えないので,モンスターの構成によって使用タイミングを調整する必要がある。

 とはいえ,ゲージの調整自体はさほど難しくなく「ちょっとだけ考える必要がある」程度に抑えられているのも,なかなかよくできている。モンスターを狩りまくるにあたって,“作業感”はある意味でメインディッシュだが,それが過ぎれば飽きてしまう。ほどよく考える要素があるおかげで,飽きずに楽しく作業を続けられる。

同じエリアを歩き回っていると,まれにステータスが強化された「強敵」が出現する。強敵は必ず最高レアの装備をドロップするので,積極的に討伐したい
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 もちろん,強敵と戦えばドロップの質が良くなる。本作ではかなり早い段階でワールドマップ上を自由に移動できる乗り物(船)が解禁されるので,新しい装備を求めてどんどん開拓を進められる。行き先は本当に自由なので,いきなりマ王が支配する強敵がひしめくエリアに足を踏み入れてもいい。

 ただし,キャラクターが死んでしまったらゴールドを支払って復活させる必要がある。復活にかかる費用はかなりの高額で,レベルが上がるごとに増えていくのでリスクは大きい。このあたりは,昔ながらのRPGにおける“現在のレベルでどこまで踏み込むべきか”というジレンマにつながっているわけだ。

マップ上では現在の適正レベルが提示される。あまりにもかけ離れている場合はBGMが止まり,ヒメリのアドバイスが入るなど,プレイヤーへの配慮も
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 ちょっと面倒に感じるかもしれないが,これで致命的なほど進行が停滞することはない。なぜなら,本作におけるゴールドの役割はほぼ「消費アイテム」と「復活の費用」に限られているからだ。

 HPやMPの回復は都市に入れば自動で行われ,装備品はほぼドロップ品で賄うことになるため,それ以外に使い道が存在しないのだ。そのぶん消費アイテムがやや高価で,道中の消耗を抑えるために重要な役割を果たす。

 ゴールドを貯めようと思えばすぐに貯まるが,消費アイテムの面では節約が必要になる。死亡からの復活にかかる費用は厳しいリスクに見えるが,提示される金額から受ける印象よりは,実際に受けるストレスが小さい構造になっているわけだ。こうした細かな設計が,本作では非常にうまく機能している。

いろいろと被害を軽減できる要素はあるが,消費アイテムを大量に買って,遠征に出かけて,その先で力尽きるとかなり厳しい経済状況になる
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 本作は非常にシンプルなゲームだ。個々の要素を整理することで,かつてのコンピュータRPGに込められたエッセンスを現代風に,ストレスなく再現している。その感覚は“懐古”とは異なり,むしろ新鮮な,しかしよく知ってはいる――という絶妙な手触りに仕上がっていた。

 個人的に気になった点を挙げるならば,ストーリー要素の薄さだろうか。また,語呂合わせのネーミングや設定がやや露骨なこともあり,そのあたりは好みの分かれる部分かもしれない。

ヒメリがいろいろな場面でアドバイスをしてくれるので,ストーリーの淡白さはある程度カバーされている。最初は謎の多い彼女だが,冒険が進むと少しずつ親近感が持てるようになる
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 正直なところ,かつてのRPGを知らない世代が,本作をどのように受け止めるのかは想像できない。本作のシステムは,古き良きRPGが持つジレンマを明確化したものであり,いわゆる元ネタを知る必要は一切ないが,それ自体をどう評価するのかは気になるところだ。ゲーマー歴を問わず,興味を持ったらぜひ遊んでみてほしい。

日向悠二氏が手掛けるキャラクターは,各都市に数人ずつ登場する。めちゃくちゃ魅力的なので,みんなの登場シーンがもっと多いと嬉しかった
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