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やっかいなAIクレーマーを自分の言葉で撃退する「コンビニ・サバイバル」。日本語版は8月22日ごろにリリース[BIC2025]
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印刷2025/08/18 19:01

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やっかいなAIクレーマーを自分の言葉で撃退する「コンビニ・サバイバル」。日本語版は8月22日ごろにリリース[BIC2025]

 2025年8月15日から17日まで,韓国・釜山で開催されたインディーゲームイベント「BIC2025」の会場で「コンビニ・サバイバル」(英語:Mart Mayhem)が出展されていた。生成AIを活用した作品で,プレイヤーはカスタマーハラスメントをしてくる客と自由なやり取りを楽しめる。

デベロッパ・Elevendot StudioのCEO・서 희수(ソ・ヒス)氏
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 BIC2025の出展から1週間後くらいに日本語版をちょうどリリース予定だったそうで,会場ではまだ未公開の日本語版をプレイさせてもらえた。
 日本語版のQAダブルチェックは完了済みだが,会場の試遊版にはまだ反映されていないとのこと。そのため,一部の日本語表現は,製品版と異なる可能性がある。
 なお,後日,8月22日ごろにリリースが決定予定との連絡を頂いた。

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韓国ではすでにリリース済みで,去年の12月ごろに韓国のYouTuberたちの動画で一気に流行したという。韓国語タイトルである「수상한 편의점」をYouTubeなどで検索すると,実況プレイ動画がヒットする。韓国語が分からなくても,本作の自由な入力の雰囲気は伝わると思うので,興味のある人は調べてみて欲しい。

 プレイヤーは,彼女との交際3年記念日にいいプレゼントを用意することになり,時給がやけに高いコンビニバイトに応募する。そこでは,変わったお客さんたちが大量に来るせいか,バイトが次々とやめてしまう環境だそうだ。
 お客さんから来る要求に流されず,それぞれの人柄に合わせた対処を自分なりに考え,言葉にするのがこの作品である。

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店長が最初に渡してくれる攻略ノート。クレーマーたちの特徴が書かれている
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 最初に来た客はおじいちゃんだ。買ったタバコの味が気に入らなかったから返金しろ,と要求してきた。

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 手始めに,「別のタバコと取り替えましょうか」と言おうとしてもののタイプミスして,「べつの」とだけ打ってしまった。もちろん「べつのって何だよ」って怒られる。

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 気を取り直して「取り替えましょうか」というと,「取り替えじゃねぇ。返金だ」とまくし立てられた。

 この剣幕に圧倒され,「返金するのでレシートください」と言うと,おじいちゃんではなく,店長が真っ赤な顔でやってきた。次はないぞと,怒られ,別の客の対応へと進む。

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 次にやってきたのは,登録者3万人のインフルエンサーを主張するお客様。宣伝してあげるから,アイスをタダで譲ってほしいそうだ。

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 おそらくアイスを渡してしまうと,真っ赤な顔の店長が飛んできて,速攻クビにされてしまうだろう。それだけは避けなければならない。
 ということで攻略ノートを確認すると,この人は注目されないと不安になるそうだ。登録者って全員BOTなんでしょ,とかそういった類いで攻めていると,今生配信中でいつでも炎上させられますよ,不評を拡散しますよ,と繰り返し脅してきた。

 本作の会話は,1回のパートで10回までに制限されている。1人の客に時間をかけすぎるのはダメだ,と店長が怒る設定だ。

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 そんなこんなで,このインフルエンサーを主張するお客様との会話が残り1回になっていた。決め手が欲しいので,とりあえず拡散しますよ,といいつつ実行しないところを指摘すると,帰って行った。

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 その後,店長が「外がえらいことになっているぞ」と駆け込んでくる。先ほどのインフルエンサーが投稿した動画が炎上し,こちらの対応が良かったと賞賛され,見物客が押し寄せてきたということらしい。

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 半信半疑でいると,店長からはボーナスの10万円をもらった。成功したみたいだ。

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 次に来た子どもの相手では,チャット制限の10回で決めきれず,激怒した店長が来て,ゲームオーバーとなった。

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 本作のデベロッパ・Elevendot StudioのCEO・서 희수(ソ・ヒス)氏に,作品について詳しく教えてもらった。

4Gamer:
 カスタマーハラスメントを題材に,AIを活用したゲームを作ろう,と思ったきっかけを教えてください。

ソ・ヒス氏:
 AIを活用したゲームを作りたいと強く思っていたからです。既存のゲームはあらかじめ決められたスクリプトに基づいて,限られた選択肢の中で進行しますが,AIを使えば,プレイヤーにもっと自由なインタラクション体験を提供できると考えたんです。

 また,コンビニにおけるやっかいなクレーマー体験談は,YouTubeなどで多く取り上げられています。現実ではクレーマー相手でも親切にしないといけない,ただゲームの中では本当に言いたかったことを自由に言える。
 そんな,現実ではできないコミュニケーションだからこそ,カタルシスを提供できるのではないかと思いました。

4Gamer:
 AIはどのモデルを使用していますか。

ソ・ヒス氏:
 有料版と無料版があり,有料版ではClaudeの高性能モデルを使用しています。無料版では,コストを抑えるために,より安価なモデルという形です。
 会話の自然さや情報の質に差はありますが,どちらもゲームとして楽しめるように調整しています。

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4Gamer:
 有料版の料金はどのようなモデルとなっていますか。

ソ・ヒス氏:
 スマホ版とPCブラウザ版の2種類があります。どちらも基本的に「ドリンク」というシステムがあり,会話1回につきこのドリンクを消費します。ドリンクがなくなれば,追加課金するか,無料版に切り替えるか,という感じです。
 最初にパッケージを購入すると,ドリンクやDLC,広告除去などが付いてきます。スマホ版だと,広告を見てプレイするような方式も入れる予定です。

4Gamer:
 攻略ノートには,5人のキャラクターがいました。モチーフなどをお聞かせください。

ソ・ヒス氏:
 制作を始めたとき,コンビニクレーマー体験談のようなものをネット上で探し,普段見聞きした情報を組み合わせて,面白そうなキャラクターを構想していきました。よくいるクレーマーの特徴を生かしつつ,バランスを考えながら個性を決めていった流れです。

4Gamer:
 プレイヤーがやるべきことは,クレーマーをやり過ごすのか,撃退するのか,それともキャラクターごとに目指すものが違うのでしょうか。

ソ・ヒス氏:
 キャラクターごとにキーとなる感情が設定されており,それをもとに対処を考えていく形です。最初のおじいさんのキャラクターの場合は,攻略ノートに書いてある通り「怖くなるとおとなしく帰って行く」ので,怖がらせる必要があります。
 ほかのキャラクターのヒントは,明示的に書いてないので,プレイヤーがキーとなる感情を推測して,それを引き出すという感じです。

 あくまで現実的に上手く対応しなければならない,ということではないので,本当に言いたかったことを言ってみる爽快感を感じてほしいと思っています。

4Gamer:
 日本語版を作ろうと思ったきっかけは何でしょうか。

ソ・ヒス氏:
 日本にもコンビニがあり,カスタマーハラスメントに対する感覚も韓国と共通する部分があると思います。
 個人的に日本のゲームをよくプレイしてきた,というのもありますが,この作品の体験が,日本のプレイヤーにも合うのではないかと考え,英語版の次に日本語版の開発を決定しました。

4Gamer:
 Elevendot Studioについて教えてください。

ソ・ヒス氏:
 ゲーム開発を目的として結成してから約6か月になります。本作はあくまで私個人のサイドプロジェクトとして始めたもので,ほぼ1人で制作を進めていました。
 去年の12月くらいに韓国のYouTuberたちがプレイしてくれて,一気に話題になり,これをもっと発展させよう,ということで本格的にチームを作った形です。
 現在はフルタイム4人,パート2人の体制です。

4Gamer:
 BICの出展理由は何でしょうか。

ソ・ヒス氏:
 BICに参加したのは,宣伝はもちろんですが,ブース運営をしたことがなかったので,その経験を積みたかったのも理由です。
 あとは,周りのインディーゲームも見たくて,参加しました。

4Gamer:
 今後の開発予定はいかがでしょうか。

ソ・ヒス氏:
 本作は短いワンシーンの作品ですが,今後は膨大な世界観の長編を作ろうと目指しているところです。1回限りの会話ではなく,もっとキャラクターと継続的な関係を築いていき,一緒に思い出を作っていくようなゲームを考えています。
 こちらもAIを活用した作品になる予定です。

4Gamer:
 最後に日本のプレイヤーに向けて,作品の推しポイントを紹介してください。

ソ・ヒス氏:
 AIを活用して,これまでにない新しい楽しさを提供しようと,実験を重ねながら作ったゲームになります。
 現実では言えないことを言える爽快感,ストレス発散の場として楽しんでもらえたらうれしいです。
 PC版とスマホ版のマルチプラットフォームを予定しています。ぜひ多くの人に体験してもらえたら幸いです。

4Gamer:
 ありがとうございました!

「コンビニ・サバイバル」公式サイト

Elevendot Studio 公式サイト

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