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韓国の大学生チームが開発した料理アクションRPG「Foodster Apocalypse」を紹介。2種類の包丁を使い分ける緩急自在な戦闘システム[BIC2025]
本作は,青江文化産業大学ゲームコンテンツスクールの卒業作品として開発されたシングルプレイ専用のアクションRPGだ。制作期間は2024年3月から11月までで,20人の学生が参加したという。8か月という短期間ながら,しっかりと作り込まれた作品に仕上がっている。
対応言語は韓国語のみだが,Stove Storeで一般公開されている。
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Stove Store「Foodster Apocalypse」
ゲームプレイは「料理」が軸になっており,敵の見た目は「たこ焼き」などの料理だ。プレイヤーは2種類の包丁を駆使して敵と戦い,倒した敵から得た素材で料理を作っていく。
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操作は,左クリックが「軽い包丁」,右クリックが「重い中華包丁」に対応している。いくつかのコンボが用意されており,正しい順番でクリックすると,リズミカルに技を繰り出せる。
また,包丁を使うとゲージが溜まり,それを消費すると各包丁に用意された必殺技も使用できた。
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会場では,開発チームのディレクターを務めるBae Junyeong氏にインタビューできたので,その模様をお伝えしよう。本作の企画書が就職活動に役立ち,今年から大手ゲーム会社で勤務しているという。
4Gamer:
お時間をとってくれて,ありがとうございます。まずは開発チームについて教えてください。
Bae Junyeong氏(以下,Bae氏):
青江文化産業大学のゲームコンテンツスクールの卒業作品として,20人のチームで開発しました。スクールにはプログラマー,アーティスト,企画者,QAなど,さまざまな専門分野の学生が集まっています。
4Gamer:
開発期間が8か月間と聞きましたが,かなり短期間ですね。
Bae氏:
はい,限られた時間の中での開発でした。チームメンバーの中にはゲーム開発が初めての人も多く,コミュニケーションや協業の部分で苦労しました。もっと効率的に時間を使えたはずですが,経験不足もあってなかなか難しかったです。
4Gamer:
ゲーム制作でとくにこだわった点はありますか。
Bae氏:
軽い包丁と重い中華包丁を切り替える戦闘システムです。武器を切り替えることで戦闘のテンポが「速くなったり遅くなったり」を繰り返し,プレイヤーが楽しめる独特のリズムを作り出せると考えました。この緩急のあるゲームプレイこそが,本作の最大の魅力だと思っています。
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4Gamer:
影響を受けた作品はありますか。
Bae氏:
HoYoverseのゲームが好きで,「ゼンレスゾーンゼロ」などから影響を受けました。
4Gamer:
これまでもイベントに出展されているそうですが,来場者の反応はどうでしたか。
Bae氏:
「かわいい」「食べ物を使った戦闘が新鮮」といった好意的な反応をもらえました。戦闘についても「よく考えられている」という評価をいただきましたが,一方で,料理を作るコンテンツの比重が小さいことや,攻撃を回避するのが難しいという指摘もありました。
4Gamer:
今後もこのゲームの開発を続ける予定はありますか。
Bae氏:
このチームでの活動は,今回のBIC出展で最後になると思います。現在,5人のメンバーはまだ大学に残っていますが,ほかのメンバーはすでに卒業して就職していますので。ただ,一部のメンバーが集まって別のプロジェクトを始める可能性はあります。
4Gamer:
大学での学びで,印象的だったことはありますか。
Bae氏:
教授陣の実務経験を共有してもらったことが,最も印象的でした。実際の業界で働いていた人たちから実務的な知識や経験を学べたことが,卒業作品の制作にも就職活動にも大きく役立ちました。あの教育がなければ,こうしたレベルの卒業作品は作れなかったと思います。
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青江文化産業大学は毎年BICに参加しており,今回は選抜された7〜8チームが出展しているとのこと。学生たちにとって,BICは自分たちの作品を世に知らせる貴重な機会になっているようだ。
卒業作品ということで,今後の展開が難しいのは残念だが,韓国のゲーム教育の充実ぶりを感じさせられた。
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